INTRODUCTION
design・デザイン・de-sign
デザインは情報伝達の手法であり、アートではありません。
伝えたいことを伝えるために、想定した目的や目標を達成する為のレイアウトや色、文字の工夫をするのがデザインです。
出来上がったものがかっこいい、お洒落、それだけでは良いデザインとは言えません。
時間をかけた入念なリサーチや発注者からの詳細なヒアリング、それらのものを検討、またリサーチやヒアリング、そして検討を繰り返します。
その検討と繰り返しの中から方向性が決まり、その後に図形や写真、色やレイアウトや文字の選択に入ります。
ここまでの工程でも、これ以降の工程でもセンスは必要ないんです。
勉強すれば誰にもできる仕事です。
この仕事が好きで、長らくこの業界に身を置いてますが、ここ数年はデザイナーを志す方に自分が学んだ技術や知識を伝えることに興味があります。
きっかけは専門学校で教えた経験からです。
本当にデザインを仕事にしたいという方にはきちんと学んで欲しいと思いますし、応援したいと思っています。
数ヶ月前に何かを調べてるうちに危惧すべき状況が目に留まりました。
「3ヶ月でスキルを習得!案件獲得!」と謳ったオンラインスクールのコピーです。
典型的なダークパターンです。
こういう売り方は昔からネットに限らずありました。
商品を販売したり、マルチ商法に誘い込むために使われてきた手法ですが、オンラインスクールにまで使われてるのは驚きでした。
コロナ禍で職を失った人や収入が減った人の不安につけ込んだ悪質なものですが、予想以上に生徒を獲得しています。
更に、そういうスクールで数ヶ月学んだだけの人が、経験を積むこともなくすぐ自分でオンラインレッスンを始めるという、考えられない悪循環も見受けられます。
そういうところで少しかじった人や、独学で少し勉強しただけの人がクラウドソーシング系のサイトで仕事を取っていると言う現状もあります。
少し勉強すれば、WordPressを使って見栄えのいいサイトを作ることは簡単に誰にでもできます。
独学がダメだとは言いませんが、そういう人が載せている制作実績を見ると酷いものです。
ネットに詳しくない人や制作知識のない人は、少し安い値段設定につられて発注するのだと思います。
自分が初心者で勉強中だというのを明らかにして、サービス価格で5万円程度で受注するなら分かりますが、安いと言っても30万円くらいは取っています。
法律には触れませんが、無知なことにつけ込んだということでは、これもダークパターンと同じように恥ずべき卑しい行為だと思います。
法律には触れなくても、社会通念から外れた、儲けだけの為にダークパターンやダークコピー、ダークなマーケティングを行う人を軽蔑しますし、認めることもありません。
YouTubeの視聴中に挿入される宣伝もそういうものばかりでうんざりします。
ダークパターン撲滅のために私も一助になれればと思います。
適正な価格で内容のあるものに発注者がお金をはらうという、正常なデザイン技術や知識の使われ方になる社会を望んでいます。